台湾や上海、東京での経験を経て、張堉泉がバンコクのMaison JEで新たに個展を開催。静かなギャラリー空間で、花の生命を感じる体験を目指した展示です。
Meishi+
インタビュアー
張堉泉
現代美術アーティスト

Clent Yuchun
張堉泉
現代美術アーティスト・21年
バンコクのギャラリーMaison JEで開催される個展「Stillness in bloom」。静かな空間で、鮮やかな色彩を用いた花の作品を通して、鑑賞者がそれぞれの距離感で生命の表現に触れる場をつくっています。
仕事観
今回の個展はどのようなきっかけや背景から始まりましたか?
張堉泉
もともとこのギャラリーは台湾台北にありましたが、バンコクで新しく開設されたタイミングで、ギャラリーの代表の方と親しくなり個展の話が出ました。台湾、上海、東京などでの展示経験はありましたが、タイでの個展は初めてだったので新しいマーケットとしても興味がありました。さらに、骨董商をしている兄がちょうどタイに移住した時期でもあったので、ご縁を感じて挑戦することにしました。最初は新しい土地でどんな空気になるのか想像しながら、現地の人と作品がどう出会うかを考えていました。
原点
来場者にはどのような体験や過ごし方をしてほしいと考えていましたか?
張堉泉
今までのフラワーシリーズは落ち着いた色が中心でしたが、今回はタイという新しい土地で、ビビットなカラーを使って花の開花を表現しています。ギャラリーの空間は自然光が入らない静かな場所なので、普段外で見る花とは違った形で、花の生命を直接的に感じてもらえると思います。鑑賞者が静かな空間で作品と向き合い、それぞれの距離感で時間を過ごしてもらえたらと考えていました。
転機
準備や展示を進める中で、迷いや調整したことはありましたか?
張堉泉
一番迷ったのはコミュニケーションの部分でした。これまでは台湾や中国、東京など漢字圏での発表が主でしたが、タイでは主な言語に漢字が使われていません。タイにも華僑が多いとはいえ、言葉の壁を感じたので、制作過程を伝えるビデオを事前に用意しました。台湾や上海には私のコレクターがいますが、タイではほとんど知られていないので、少しでも自分のことを知ってもらった上で作品を見てもらいたいと思い、伝え方を工夫しました。
生活
展示をつくるうえで最後まで削らずに残したことは何ですか?
張堉泉
自分の作家性とも言える作風については変えませんでした。これまでのholly monsterシリーズや樹幹、波、そして今回のフラワーシリーズも、具体と抽象の狭間のようなスタイルを用いています。鑑賞者に作品の感じ方を委ねる空白も意識的に残しています。説明しすぎず、見る人が自分のペースで解釈できる余地を大切にしました。
未来
今後この個展をどのような人に共有したいと考えていますか?
張堉泉
まずはタイ現地の人に見てもらいたいと思っています。また、現地に来られない方にも、ギャラリーのInstagramやSNSを通して作品を見てもらえると嬉しいです。今後もそれぞれの場所で、無理のない距離感で作品が届けばと思います。
Clent Yuchun
張堉泉
現代美術アーティスト・21年