
Sidney LU
シドニー・ルウ
祖魯・オーナー
アートコンサルタント・28年
直感的な「好き」を起点に、背景や価値を丁寧に見極める姿勢でアートに向き合うシドニー・ルウさん。コロナ禍を経て関心が広がり、アートコンサルタントとしての判断軸にも変化が生まれている。
Meishi+
インタビュアー
シドニー・ルウ
アートコンサルタント
仕事観
Meishi+
美術品や人と接する際、どのような基準で判断していますか?
シドニー・ルウ
私は美術品を選ぶとき、まず直感的に自分が心の底から好むかどうかを重視しています。その後で、そのものが持つストーリーや価値を分析し、コレクションに加えるかを判断します。人付き合いでも同じで、一緒にいて信頼できるか、楽しく過ごせるかを最初に見ています。どれほど価値があっても本当に愛せないものは選びません。こうした感覚は、日常の判断にも自然と影響しています。
原点
Meishi+
今の判断基準や価値観につながる原点について教えてください。
シドニー・ルウ
高校卒業後、アメリカの美術大学で学んだ経験が大きな原点です。世界各地の芸術や歴史に触れる中で、特にアフリカの部族芸術やプリミティブアートに強く惹かれました。人類の自我の目覚めを象徴するこうした表現は、工芸や創作の原点でもあり、現代社会の本質を探る手がかりでもあると感じています。希少価値の違いはあっても、生活から生まれた率直な表現を、先入観を持たずに評価する習慣が自然と身についていきました。
転機
Meishi+
これまでの経験の中で、考え方や関心に変化があった場面はありますか?
シドニー・ルウ
以前は明・清時代の家具やミャオ族の織物、李朝白磁、イギリスの工業部品、東南アジアの古家具など幅広くコレクションしていました。しかしコロナ禍で海外へ行けなくなり、現地の骨董市などが開催されなくなり、改めて自分が住むアジア地域の現代美術に目が向くようになりました。特に自分が住むアジア地域の作家の写真作品に強い関心を持ち始め、コレクションの幅や視点が少しずつ変化しています。環境の変化が、興味や判断の幅を広げるきっかけになりました。
生活
Meishi+
休日や仕事の合間には、どのような時間を大切にしていますか?
シドニー・ルウ
コレクター仲間やアートの顧問先の方々と、人目につかない隠れ家のようなレストランでワインを飲みながらたわいもない話をする時間が一番リラックスできます。また家では妻と一緒に中国や台湾の茶葉を使い、お気に入りの茶器で功夫茶を楽しむことも大切な時間です。こうした場で自然体で過ごし、思考を整理することが自分にとって欠かせません。
未来
Meishi+
今後、どのような人やテーマと関わっていきたいと考えていますか?
シドニー・ルウ
ここ数年は写真作品に強い興味を持ち、歴史的な作家の作品も収集してきました。今後は台湾や日本、韓国などアジアの若手作家の作品を丁寧に鑑賞し、歴史に耐えることのできる作家や作品を見つけていきたいと考えています。コレクションや鑑賞を通じて、これからのアートシーンに静かに寄り添っていきたいと思っています。
Sidney LU
シドニー・ルウ
祖魯・オーナー
アートコンサルタント・28年